気ままに宇宙的ブログ

宇宙と食事の話がメインですが、たまに旅行や小ネタを挟みます。どうぞよろしくお願いいたします!

緊張の実技試験 星のソムリエ見習いの卒業へ

ヒンヤリとしたコンクリートに並べられた、7セットの赤道儀と架台、そして屈折望遠鏡
 
「どうぞ」と声をかけられ一斉に配置に着く。
 
制限時間は40分。
 
「それでは、望遠鏡を組み立ててください」
 
f:id:Kumacosmoto:20151206163003j:image
写真:特に意味もなく北極星。なんか好き。
 
 
2日目の内容も続けてつらつらと。
 
一夜明けた2日目は座学もありましたが、メインイベントは実技試験でした。
 
星のソムリエ見習いから「見習い」を卒業するために、実技試験の合格は必須となります。
 
実技試験の内容をざっくり書くと…
 
①実際にイベントにて星のソムリエとして星空を楽しくロマンチックにお話しする(必須)
 
②望遠鏡の組み立てから観測、片付けまで一連の流れを行う(選択)
 
③星座早見表の使い方を理解し、星座を見つけてその星座が何かを説明する(選択)
 
と、星空案内を試験官の方の前でお見せすることが必須で、望遠鏡の使い方や星座の見つけ方といったハウツーはとりあえずどちらかもっておけばOKという感じです。
 
つまり、
 
ハウツーができていてもダメ。その場にいる人を楽しませる、感動させる術や話を持ち合わせていなければ不合格
 
ということかなと感じました。
 
星のソムリエというだけあって、見習いからの卒業はハードルが高いようです。
※実際に、現在、星のソムリエが467人、星のソムリエ見習いが3000人近くいることからもそれが伺えます。
 
ただし、ハウツーだけではダメというものの、もちろんハウツーがしっかりしていなければ星のソムリエにはなれません。
 
今回のイベントでは実際に星空案内をする、という試験はまた別日にするとのことで、望遠鏡の使い方の実技試験のみ行われました。
 
望遠鏡のテストが行われるまで、2-3時間ほどの練習タイムがありました。
 
実は私、望遠鏡で星を見たことはあっても望遠鏡を1から100まで使うのは
 
初めて…!!
 
ということもあり、練習を始めた当初はあたふたしておりました笑
 
ただ、ここがこの資格認定講座の素敵ポイントでして、実技の練習は1人ではなくチーム制です。
 
チームの中に一人は望遠鏡の扱いに慣れている方がいらっしゃるので
分からない、あたふたしているところを優しく教えていただけました。
 
また、
 
「望遠鏡から両手を離さない」
 
「バランスを取るときは望遠鏡は平行に」
 
と、練習中にも、試験官の方から厳しくも大事なアドバイスもいただけ、大変ありがたかったです。
 
おかげさまでなんとか実技試験を受けられるレベルにはなれたのかな。ということでテストを受ける決心をしました。
 
いよいよ実技試験(記憶を頼りにしているため若干異なっている可能性あります。補足あれば何かご連絡いただけますと幸いです)
 
行われるのは風のない、静まり返った夜の駐車場でした。
 
そこには組み立て前の望遠鏡が7つ置かれていました。そして、試験官は3名、準備が完了したところで星のソムリエを目指す人たちが7人配置につきました。
 
全員が配置に着いたところで
 
「それでは、望遠鏡を使用できる状態に組み立てて、東側にあるあの人工光を導入(望遠鏡で見える状態に)してください」
 
という一声があり試験開始になります。
 
組み立てて、極軸を合わせて(試験は経緯台ではなく、赤道儀を使います)、接眼レンズをとりつけてピントを合わせて、ファインダーとの水平をとって…
 
と、ひととおり作業を終えたところで試験官に確認を依頼し、チェックしてもらいます。
 
まずは全てのネジが正しく取り付けられているかを確認されます。
 
ここで緩みがあると望遠鏡が架台から落ちたり、星に照準を合わせる作業が、難しくなったりします。
 
次のチェックポイントは望遠鏡のバランスが取れているか、ということ。
 
赤道儀の場合はバランスウェイトというものを取り付け、望遠鏡の重みで架台が斜めになって倒れることを防ぐ必要があります。ネジ同様、重要なポイントです。
 
そしてネジとバランス2つのポイントをチェックしていただいた後はいよいよレンズを覗いてもらいます。
 
このときはピントがあっているか、またファインダーとの水平が取れているかを確認してもらいます。
※緊張感のピークはここかもしれません。
 
OKだった場合、次の言葉が言い渡されます。
 
「何か好きな天体を導入してください。またその星の説明もお願いします。」
 
そこまで使いこなせられていない自分としては、とりあえず見えているものということで、こと座のベガを導入しました。
 
再度確認してもらい、OKをもらったところで指令が言い渡されます。
 
「今の倍率を教えてください」
 
倍率の計算は
 
対物レンズの焦点距離➗接眼レンズの焦点距離
 
です。
 
ささっと答えまして、さらに指令が。
 
「接眼レンズを取り替えて下さい」
 
焦点距離が短くなる(倍率が上がる)接眼レンズに取り替えて、再度ピントを合わせます。
 
緊張していると接眼レンズを持つ手が震えます笑
 
無事にピントを合わせられたらそれを確認してもらい、最後の指令です。
 
「望遠鏡を元の形に片付けてください」
 
ひとつ、ひとつと丁寧にやりまして…
終了となります。
 
この作業を怠ると次に使う時にネジが外れていたり、望遠鏡の寿命が短くなったりと大切な作業になります。
 
と、ここまで書きましたが、今回の望遠鏡テスト
 
まだ合否がわかっておりません笑
 
自分が書いた部分も、どこまで自分が出来ていたか怪しいところ…
ゆるゆると待ちたいと思います。
 
試験後は2泊3日を共にした受講者の方と、Vixenの方、そして、講師として来てくださった方との懇親会でした。
 
一仕事終え、星を見た後のお酒ってなんであんなに最高なのでしょう。
星を見ながらのお酒もまた最高のひととき。
 
今回の資格認定講座はテストを受けに来たというよりも、素敵な星好きな方と楽しく星を学び、星を楽しむ術を身につけたといっても過言ではないほど濃密な2泊3日でした。
 
参加された皆様、Vixen様、講師の皆様ありがとうございました!
また引き続きよろしくお願いいたします!
 
というところで、2回に分けた星のソムリエについてのご説明でした。
続きの実技試験があった際はまた書こうかなーと思います。